That's 記(雑記)

ネーム ハンドルの自己満足でいろいろなことを書いてます。

勤労手記12~16

「勤労手記12」
普段より5分遅く出ただけで道路の状況がガラッと違う。
右車線よりも左車線の方がスムーズに車が流れている。
己れの知っている道とは逆だ。
ほんの少しの差がそれを生む。己れの知らない地元の一面。

学生時代には意識をしたことがなかった。


到着。駐車場に車を置く。
置いたら、外に出て、車体のチェックをする。

いつかは解らないが、サイドミラー(しかも左右両方)を擦ってしまっていたらしい。
ぶつけたら大きい音が鳴るだろうに、気付かなかったのだ。
ひょっとすると駐車中に当てられてしまったのかもしれないが、
傷跡から、こちらが動いていた時にできた可能性が高いと推察される。

目や鼻だけでなく、耳まで悪くなってしまっているようだ。

仕事上、騒音の激しい場所に行くこともある。
それでぶつけた時に鳴るような、低音が
聞こえ辛くなってしまっているのではないだろうか。


いつもより到着時間が20分も遅かったので、
「辞めたんかと思った。」などと「ハクサン」に言われた。

朝は判子を押す業務。その中に、判子を押すべきかどうか
悩ましいものを発見。訊いてみよう。

「これって判子押した方がいいですか?」
「あーこれって……欠席届ね。何で回してんだろ。
プライバシーの侵害でしょ~。」と、「アコサン」が言う。
一応、判子を押しておく。どっちでもいいと言われたが、見てしまったので。


そんなレベルの低すぎる仕事のあと、「コタサン」と共に外回り。
AT車の社用車だ。MT車以外の社用車があったのか、と
思い乗ってみると車内が煙草臭かった。

喫煙車、として利用されているのだろう……。

取引先に「新しく入った若い子です。」と「コタサン」が己れを紹介してくれる。
「宜しくお願いします。」と相手方は挨拶してくれた。
「宜しくお願いします。ネームと申します。」と倒置法的な挨拶を返してしまった。
名前を名乗るのが嫌と言う心理がはたらいている。名刺が早く作られないものか。

そう思って、会社に戻ると、名刺が用意されていた。やっとだ。
何百枚とある。これからこれを関係者に配っていく必要がありそうだ。

何もしない時間を作らないように計画的に仕事をする。休んでいると、
「ゲンサン」などが、ボーッとしてないで自分で考えて何かしろ、と言うのである。
しかし一方で、根を詰めてしていると「そんなにクソマジメにするな。」と言うのである。

その両方を取ろうとすると、仕事をしているふうを装ってしまうようにもなり得る。
けれども、そうではなく、適切に時間配分をして、
仕事中は空き時間を作らないように、という助言なのだろう。

そうやって業務をしていると社長が様子を見に来た。差し入れ付きで。
社長も社員との関係に気を遣っているのだろうか。
社長室でふんぞり返っているだけではないようだ。

己れにも声を掛けてきて、アドバイスをくれた。採用試験を受けた時よりも
雰囲気が好意的に感じられた。仕事ぶりを評価してくれたのかもしれない。

昼食後、再び外回り。顧客から透明な飲み物を出された。
歩いて汗をかいていたので、喜んで飲み干す。
噎せる。日本酒だった。道理で、その量が少ないと思った……。
……仕事中にアルコールを摂取してしまうって、
どんな社会人だ。しかも豪快に。

会社から家に帰るには、自家用車に乗らなければならない。
大丈夫だろうか?

紙コップの半分の半分くらいまで注がれていたから
その日本酒の量は50mlくらいと推測される。
仮にアルコール分が20%だとしても約1時間で分解できる量だ。
現在時刻は14時、定時は17時。問題なさそうだ。

会社に戻る。社内は談笑して盛り上がっている。その輪に入れない。
己れに対して、辞めてほしくないからか、遠慮をしているように感じる。
壁。それは存在していても構わない、寧ろ、
ある方が望ましいが、しかし、それは必要以上に高いのである。

「ゲンサン」が扶養手当申請書を探し求めている。
「アコサン」がそれを見つけようとするも見当たらない。
……。何故か己れの手元にあるからだ。

それを渡すと喜ばれた。多少は貢献できただろうか。

因みに、「ゲンサン」は本来、扶養手当を受けられるのに
何年も貰っていなかったそうだ。
遡及して受け取る事は無理なのだろうか。

定時になったので帰る。
既に「ハクサン」「ゲンサン」「ポブサン」らは帰っている。
まだ仕事をしている人達はいるが、己れにできることはない。

あとがき

もう少し余裕を持って仕事をして、手伝える事が何かないか聞いてみても良かったかもしれない。





「勤労手記13」
昨日と違い、普段通り出勤。今日は早く来た、と総務課長に言われた。

外回りをさせられる。いつも乗ってるのとは違う社用車を用意された。
この車……バンパーは凹んでいるし、ボディは細かい傷だらけだ……。

「ポブサン」が付き添いに付き、取引先を回る。
己れが一人で仕事をできれば「ポブサン」は付いて来る必要がない。
会社の足を引っ張っている感じがした。


ぶかぶかの制服を着た、新一年生と思しき中学生が歩いている。
登校中だろうか。
「ポブサン」は笑って、「制服が歩いとるみたいじゃなぁ。」と呟く。


共に仕事をする社員達は、殆ど皆、己れと歳が倍近く、違う。
それだけ歳が離れていると、物の見方も全く異なるに違いない。

中学生を見ても、遥か遠い存在と思うだろう。
己れにとっては、つい、この間。
未だ、中学生の気持ちを一欠片だけは持っている、と
言えるくらいの感覚だ。


今年で56歳になる人々がいる。その人達が、生まれたのは1962年。
大学まで留年、浪人などがなくストレートで進んだとすれば、
1984年に22歳となり、その翌年、1985年に就職する計算になる。
1985年と言えば、日本がバブル経済に
突っ込むきっかけになったプラザ合意に至った年である。

その出来事は、今年、大学を出て卒業した者にとっては、
歴史の1ページとして受け取っているのではないだろうか。

2018年に就職した者の多くは、1995年生まれ(大学を卒業して、
且つ、留年・浪人などをしていない者)だ。
その人々にとっての2018年と、1962年生まれの1985年の感覚は、
記憶の新鮮さの違いはあれど、同じ筈だ。

その差は、想像が付かない。

今の若い世代の多くは、阪神淡路大震災の記憶もぼんやりとしているだろう。
もっと歳が小さい――小学校に通っている子供ら(今年の1年生から6年生は
それぞれ2011年から2006年生まれだ)に至っては、
東日本大震災のことも殆ど知らないだろう。

その時代を生きた人にとっては、衝撃的だったことも、
それ以降に生を受けた子供にとっては、過去のこと。
記憶ではなく、記録の1つだ。


慣れないMT車を運転する。発進しようとするとエンストした。
クラッチを上げるタイミングが早すぎたようだ。

……またもエンスト。しかも、何度も失敗する。
その操作でこれまで動いてきたのに。おかしい。
ギアを目を遣る。……。この傾き方、三速に入ってないか?
ニュートラルに入れて、一速に入れる。動いた。凡ミスだった。


そんな困難もありつつ、仕事場に戻って作業していると、
解らないものが出てきた。
これは……「コダサン」なら知っているかな。

「コダサン、この……ってどうすればいいですか?」と
話し掛けると、約1時間の長話となった……。

名前を覚えてくれていたことを喜んだのかもしれない(単に挨拶するだけでなく、
その人の名前を呼んで挨拶した方が受け入れてもらいやすくなるのかも)。
或いは、新人に教えるという名目で、休みたかっただけなのかもしれない。


その内容に加えて、「コダサン」の身の上話を含めたあれこれを聞かされた。
まとめると、解らないことは直ぐに聞く、メモを取る、
何のための仕事か考えて動く、という3点だった。

「コダサン」もここには中途で入った、
転職してきた人なので、その内容は普遍的である。

定時になったのでささっと帰ろうとしたら、判子を押す書類が渡された。
面倒だが、目を通す。こういう頭脳労働は朝にしたいものである。
……。政治経済の話まで書かれており、興味はあるが、
早く帰りたいので細かくは見ない。極小の文字で構成されている文書がある。
小さい文字ほど真剣に読まなければならないのが、現代の日本だ。

残業代は……出ないだろうな……。

「コダサン」から明日の予定を聞いた後、退社した。

あとがき

坂道発進時、エンストを防止するシステムがあると乗る際に説明されたのだが、
仕事の段取りも同時に言われたので何がなんやらという感じであった……。
結局それは生かされなかったような気が……?





「勤労手記14」
今日もMT車の運転。今週はずっと運転ばかりしている。
己れはタクシードライバーの職に就いたのだろうか、と
移動中に30回程、自問自答した。

最初だけ、「ハクサン」が助手席に座った(社内の駐車場から
発進する時にエンストを連発しているのを、見るに見かねて、だ)。

発進時にまだガクガクしている(己れは全くそれを
感じ取れていなかった……)から、「半クラ」を
上手く使うようにと「ハクサン」にアドバイスをされた。

クラッチをちょっとずつ上げて行くと、自然と自動車は動くので、
そこまでエンジンは吹かさなくていい、と言われた。
試してみると、確かにそうだった。

社員の殆どが、自動車教習所の教官でもないのに、
MT車の仕組みに精通している。

これは、MT車の仕様の不可思議さによるものなのではないだろうか。

発進にも微妙な一手間が掛かり、操作を誤ればエンストを起こす。
どうしてそうなるのかと気になるのも、自然だろう。


坂道に差し掛かる。上り坂は混雑している。
同乗している「ハクサン」は周りを気にせず車間を開けてゆっくり走れ、と言う。

坂道発進が苦手なら、避ける。
ミスの要因を減らそうとする、ベテランらしい判断である。

坂道でエンストを連発すれば、のんびり進む以上に
周囲に迷惑を掛けるからだろう。

無論、逃げてばかりもいられないが、
しなくて済むならそれがいい、と言うことなのだろう。

外での仕事を済ませて帰社。
午後には、何人かの社員と共に、再び営業に出た。

「ハクサン」に、「ここでちょっと待っとれ。」と
言われたのでその言葉通りじっと待機してたら、
「ポブサン」に呼ばれて「皆、動いとるんじゃけ、動かんと。」と言われた。

どこの集団でもある現象だ。一人の命令を全員が知っているわけではない。
だから、こうして休むように言われても、集団で動いてる時には休み難い。

これは誰も悪くない、と苦笑する己れ。


その仕事のあと、己れは一人で運転して
帰社することになった。道順を自分で考えながら、運転。

自分一人というのは、気が楽ではあるが、
方向音痴な己れには辛いものがある。
スマートフォンのナビを利用していたが、途中で電源が切れてしまった。

そのせいか、今回の運転は不注意なシーンが多かった。
事故をしなくて、本当に幸いであった。

御節介なことに、周囲は運転を含めた仕事に慣れさせようと
様々な雑用をお願いしてくる。その量が半端ではないので、
頭の中で整理が付かず、ごちゃごちゃになってしまっているのが、
現状である……。疲れた。

忙しく働いていると、定時を迎える。
残って仕事を学んだ方がいいのだろうが、
どうせ残業代が出ないので、帰る。咎める者はいない。

……時間の流れが速い。
特にすることがなく過ごした日々と比較しても、明らかに。

慌しいからなのだろうか。早起きで寝不足だからなのだろうか。

あとがき

それぞれ、社員が己れに求めてるものが違う気がする。
社長は若さを頼りに精力的に働いて欲しいと思っていそうだ。
「キリサン」は己れの頭脳、他の人では出来ないことができるのではないかと期待しているみたいだ。
「ポブサン」や「ハクサン」は早く馴染んで欲しいと考えているだろう。
「ゲンサン」は口煩くなければ何でもいいと思っているに違いない。
総務課長は続けてくれたら何でもいいという態度である。
ちぐはぐとした感じで、己れ自身、どこを目指すべきなのか困っている。





「勤労手記15」
今週もついに木曜日を迎えた。
休みである日曜日から、月曜日から働き始めて、今日で4日目。
金曜日となると、休日が近いという喜びもあるが、木曜日は、
これだけ働いてもまた明日がある……とそんな気持ちになる。

早くに起きてしまったので、早くに出勤する。眠い。寝不足だ。

今日も運転をする。一人でMT車を乗り回す。
出発時、居合わせた社員に、慎重に、と見送られた。

行き先は昨日と同じ。取引先の会社だ。
己れの付き添いとなる社員達も、社用車でそこに向かうようである。

進んでいると、車が左に寄っている事に気が付く。
道路の傾きに影響を受けているみたいだ。
この車は、ハンドルを持っていかれ易い性質があるようだ。
現在、試用期間中の筈だが、こんなに社用車を乗り回していて
大丈夫なのだろうか……と疑問が浮かんでくる。

「ハクサン」と通ったルートで行くと、誰よりも早くに到着した。
勝手に入るのも良くないだろう。道路の端に寄せて、停車する。

このまま待機しておけばいいのだろうか。

漸く、他の社員らの運転する車が、何台か到着した。
迷いなく、その会社の駐車場に入って行った。
この狭い門を巧みに潜るものだ。感心してその様を見ていた。

新入りである己れがボサっとしている場合ではあるまい。
昨日、そう言われたのだから。急いで行こう。

左折して入ろうとする。さっき入って行った車と同じようにすれば大丈夫だ。
門は、角度が付いていて、坂になっている。……急がない。慎重に……。

ガッ、と音がした。接触してしまったみたいだ。素早くブレーキを掛ける。
ミラーを見る。左の後方が当たっている。事故を起こした。
しまった、という気持ちもあったが、安堵の感情も生まれた。

こんなしょうもないミスをしてしまうような、下手であると認められれば、
車の運転をしなくて済むかもしれないからだ。

どうしたものか。こういう場合は先ずバックで脱出を試みるものだと聞いたことがある。
そのあとに、事故をした、と先方に伝えて……それから、会社にも連絡をして……。

ハンドルを元の状態のまま……。

……ハンドルを見ると、己れのイメージより多めに切られていた。
この門、傾斜がある、というだけでなく、僅かに左に傾いているようだ。
欠陥住宅、ならぬ、欠陥門である。

それは兎も角、下がろう。

だが、バックしようとするも、傾斜があることから、
後ろではなく前に進んでしまった。ハンドブレーキを掛けていれば……。
甘かった。冷静になる為にも、先に下りて状況を確認するべきであった。

小事が大事になる音がした。

今まで眠気眼であったが、これで意識がはっきりし始めた。
どうするべきか、パニックになる。後ろにも前にも進めない。
どうにかしようとして、どうにもならず、エンストを繰り返す。

事故の音を聞き付けた取引先の社員が何人か現れて始めていた。
この光景を見て、滅茶苦茶笑っていた。

それもそうだろう。会社の門が破壊されたからと言って、
そこに属する社員は何の損もしないし、それに、こちらの会社が、
保険など、何らかの形でその損害を補填する筈だからだ。

どうにもこうにもならない。降りて、助けを求める。
己れが降りると、空気がより和んでしまったような印象を受けた。
若いし、仕方が無い、というようなオーラが出まくっている。

己れも釣られて笑ってしまいそうになったが、真剣な表情の維持に努める。
ぶつけてしまいました、と手当たり次第に謝罪をして、どうすればいいか訊ねる。
「(保険会社)に連絡して。」と言われたが、番号を知らない。
代わりにしてもらった。車はどうすればいいのだろう。
「タイヤが門のレールに嵌まっとるから前に出せば抜けられる。」と
別の社員が言う。その社員が代わりに運転すると、車は事故から用意に脱した。

瓦礫の山。破片が広がり、悲惨な光景だ……。
車にも大きな横一線の傷が入ってしまっていた。

保険会社に提出するのか、何処からか現れた社員が、
カメラでその光景を撮影している。手際が良い。
これを予期していたみたいに思えた。

こうして多数を巻き込んだ事故を起こすのは初だ。
どう振る舞うべきなのか解らない。
何もしていないのは放心状態だから、とアピールするべきか。


騒ぎを聞き付けて、「ハクサン」が登場。
これはどのぐらいの非常事態なのか、
「ハクサン」の顔色を見て判断しよう。

……。そんなに問題なさそうだ。

「待っとれば良かったのに。」と「ハクサン」は一言。
己れの問題であるが、その指示を怠ったことへの自責の念を感じさせる。
先に到着していなければ……。
「ポブサン」も現れ、「そりゃぁ、早く仕事せにゃいけん
思うて焦ったんでしょう。ワシも若い頃はようぶつけたけぇ気にせんでええよ。」
と己れの想像通りの言葉を掛けてくれる。
「ゲンサン」は「ミラーよう見りゃぶつからんじゃろ。」とこれも己れの予想範囲内。

この事故に対しての発言で、キャラクターが大体分かる。
どれも正しい。そのどれか1つにでも、に意識が回っていれば、
こんなことにはならなかったに違いない。

他の社員も集まってきて、祭りのようになる。 後片付けや連絡をしてくれた。
「まあ……引き摺らんことじゃな。」と「ハクサン」が締め括った。


これは失敗としてはレベルの低すぎるものと言えよう。
ミスが起こる条件が揃い過ぎていた。


先ず、己れ自身の問題として、コンディションの悪さがある。
木曜日で疲労が溜まっていること(他の社員も然り)、寝不足。
それから、運転に慣れ始めた時期で過信もあった。
それにも関わらず、車の特徴を十分に理解していない。
ハンドルが軽いことに気付いていたのに、それを見逃す甘さがあった。
それと、のちに知ったが、己れの今日乗った車は
他の社用車と比較してやや縦長で横幅も広いのだそうだ。

昨日の時点で運転していて危ない場面は何度かあった。
予兆はあった。それなのに、防げなかった……。


……まだMT車の免許を取得して一月足らずの
己れに対して無茶をさせ過ぎであるとも思える。

この言い分は、人のせいにするという形であり、
事故を起こした当事者が言うのは、滑稽無糖かもしれないが……。

車体感覚を覚えるには、程遠い状況。他の社員が助手席に乗っていれぱ。
門を潜る前に待機を命じていたのなら。フォローと、連携が不足していた。
己れは、助けを乞うように動くべきだった。

……何よりも、己れが、己れの力量を見誤ってしまった。

小さな判断の誤りの積み重ねが今回の事故であろう。

「ポブサン」に促され、自社の社員に謝罪。
長々喋ろうとしたら、制される。シンプルに謝れば足りると言われた。

言われてから謝ったせいか、変な雰囲気だ。
……これは生まれて初めて味わった、何とも言えない空気だ。

微妙な感情が混ざり合っているこの感じ……。
気まずいわけでも、責められているわけでもない。神妙過ぎることもない。

複数の色の絵の具を半端に混ぜたような具合である。

仕事を進める。……事故を起こしたのが遠い過去のようだ。

いつの間にか、相手方と話し合い、決着を付けたようだ。
どんな内容を話したのだろう。同席したかったものだ。

責任者である「コダサン」がやって来て、「こういう失敗も入れて
今仕事させとるけぇ、こういう時にはケツは拭くけぇ。
でも、何回もミスしとったらいけんけど。」と言った。

これで漸く車の運転から解放されるかと思いきや、事故をした車での
お使いを命じられる。本気か、と疑問に思った。

道に迷って右往左往。昼前に着くと予想していたが、遅くなった。
お使いの先も、昼休み中。出直す。

13時になるのを待って(その間に昼食を摂取しておき)、用事を済ませる。

戻っていると、電話が鳴る。見覚えない番号だが、
社員の誰かに違いない。遅いから心配しているのだろう。
運転中に出られるわけがない。……。一旦切れて、
再び電話が鳴る。……スーパーの駐車場に入って折り返しを掛けよう。

電話の主は「ポブサン」だった。事故に遭ったのではと心配になったらしい。
道が分からなくて迷ったので遅くなったのた、と説明。

どうして、己れの電話番号を知っているのか……と
思ったが履歴書に書いていたか……。
……この会社の情報管理体制に不安を覚えた。

スーパーに停まらせてもらったので、
自分用に飲料を買って帰った。店員も、まさか己れが朝に
事故を起こした人間とは想像も付かないだろう。

会社に戻って、他の社員にも謝罪をしてから
(既に事故の件は知れ渡っていた)、仕事に励む。

事故を忘れさせようとしているのか、
膨大な仕事を押し付けられた。

己れと同じく仕事に苦戦している「ポブサン」が話し掛けてくる。
「ポブサン」は入社して半年だ。年の差は親子ほど離れているが、
己れのことをライバルのつもりで意識している、と話していた。

このタイミングでそういう話を出してくるとは……。

己れは目の前の仕事で忙しくてそれどころではなかったが、
新米同士なので、そう捉えている部分は少なからず、
己れの中にもあるように感じている。
いずれは、己れが追い越さなければならない存在である、と……。
でも、それだけでは足りない。もっとシステマティックに、
人材を育成できる仕組みを、整えなければ、この会社は……。


最後に、事故報告書を書かされた。事故の状況、原因などを記入。
誰が、どこで、何をして……読み手に何を伝えるべきか考える。
寝不足もあって、話の通じる文を組み立てるのに苦戦したが、
楽しいと思えた。己れはここで改めて文章を書く楽しさを再発見した。

ボールペンで書いたのだが、書き損じが多くは、ぐちゃぐちゃになってしまった。
今度からは鉛筆で下書きするように、と総務課長に言われた。
机にはボールペンしか入ってないと思って、ボールペンで書いたのだが、
その奥底に鉛筆も隠れて用意されていた。

事故を起こしたあの時、どう動くべきだったのか。
最終的に保険は下りるのか、車の傷はどうなるのか。気になるところだ。


あとがき

お使いに行った時も、エンスト連発で大変な目に遭った。
そうしていると、通りすがった人こちらをじろじろと見ながら、
車の直ぐ前を横切っていったのだが、あれは当たり屋だったのだろうか?





「勤労手記16」
昨日、事故報告書と共に、出張届も出していた。

書いていると、何人かの社員に、左利きだ、と珍しがられた。
でも、意外と左利きの社員はこの会社には多いらしい。

行き先は、研修センター。
自家用車(「汽車(電車)はうちは使わない。」と総務課長が話していた)で向かう。
幾らかは不明だが、交通費は出してくれるらしい。


そういうわけで、朝早くから、車を運転して向かった。
早朝の道路は、昼とは別世界だ。後ろから、軽自動車が、迫って来る……。
ドライバーは、50代、60代ぐらいと思しき男性だ。

己れを追い抜かす。進んだ先でも、右へ左へ、車線を変更。
狭い所に潜り込む、その姿はゴキブリのようである……。

無理な割り込みを繰り返し、一秒でも早く、進もうとしていた。
逆走……。赤信号だったが、反対車線にまではみ出し、
信号無視をして……その姿は見えなくなった。

しかも、そういう車は一台、二台ではなかった。
何十台もの車が、同じような動きをしていたのである。

朝4時や5時という時間帯では、警察も見張らないのだろう。
それが解っているから、ああいう事ができる。

早朝は車の通行量に反して、事故が多い、と耳にした事がある。
その理由が今まで謎だったが……今日、理解できた。

信号のない横断歩道。中学生か……車が止まってくれないので、
ずっと待っているみたいだ。後方の自動車に注意しながら、
ブレーキランプを何度も点滅させて、止まると合図を出した。
己れの居る側の車線は止まったが、反対車線はその気配がない。
クラクションが後方から鳴らされる。……。

中学生は、止まってくれているので、悪いと思ったのか、
と無理に横断を試みる。……焦ったが、事故無く渡り切れて安堵した。

更に進むと、同じく、信号のない横断歩道で待っている男性の姿。
ここでも止まる。

横断するのを待っている人がいるのならば、
止まらなければならない、と法律では定められている。
だが、これを守らなかったから捕まった、という話を聞いた事が無い。


昔、道徳の授業でシンガポールが取り上げられたことを思い出した。
多くの人が知っているかもしれないが、シンガポールは罰金制度が厳しい。
特に、ごみのポイ捨てには厳格である。それの要因となる、
チューイングガムや花火の持ち込みも禁じているのだ。

その授業では、そんなに厳しくしなければ人はルールを守らないのか、
という方向に誘導されていた記憶がある。


しかし、先のような場面に出くわすと、罰則が無ければ人は
こんな簡単な事すらできないのだと残念に思ってしまう。

結局、適切に罰が為されなければ、縛らなければ、ならないのだろうか。


そんな移動中、忘れ物がないか気になって仕方が無かった。
その手の忘れ物を即座に届ける運送サービスを展開したら、
収益は上がらないだろうか?需要はありそうだが、
安価なサービス提供は難しそうだ。

研修内容は特筆すべき点が無かった。
方々から色々な企業の人が来ていて驚いたぐらいだ。

研修を受けたという証書を受け取り、帰る。

眠気覚ましには、音楽が最もいいと聞いた事があるので、
テンションが上がりそうなものをチョイスして、流して聞きながら、
車を運転した。

今の会社に勤め続ければ、己れの生涯賃金は1億5,000万円だ。
でも、続けられるかどうかは未知だ。

己れの適正価格は、幾らなのだろう?
大企業に入れば、これの倍は貰えるかもしれない。
でも、そういう企業の中にも、「使えない」と思われている社員も居るだろう。
そのタイプの社員は、会社の中に居ても、実質的には、
何も生み出せていない。……数多いる社員の中で、与えられた賃金分、
お金を作り出している者は、何人、存在するのだろう?


市街地に戻って来た。右車線の方が早いと思って、そこを走っていたのだが、
混雑の度合いが高い為か、左車線の方が動きがある。
そこで、左車線に移動する。今度は、左車線が詰まり、
右車線が動き始めた。己れと同じように、
左に車線変更をする者が何人も居たからだ。

ギャンブルとしての株で、一山当ててみたい、と夢見る事がある。
株で儲けるには、予測が大切だ。だが、左車線か、右車線、
何方が早いか、という程度の予想すら外すのに、人の心理が作用する
株の世界で、勝てる筈もあるまい……。

あとがき

研修中、偶々隣に座っていた年代の近い男性と同じ会社の人だと
勘違いされた。若者を何人も育成できる程、体力のある企業は地方にはそうはあるまい。

18/4/21 事故を起こした後、門の老朽化具合を見て、壊しても構うまい、と開き直っていた。人身ではないし、どうせなら、もうちょっと派手にしても……。('A`)
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イタめな日記ですが暖かい目で
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